一連計算の可否② ~最高裁平成20年1月18日判決~

こんにちは、司法書士法人ジェネシス静岡支店です。

前回お話したように、平成19年6月7日判決によると、基本契約が一つである場合には、取引中に完済と再借入れがあっても、過払い金の充当が認められる(一連計算できる)ことになります。

では、基本契約が複数の場合(完済時に一旦解約し、再借入れ時に別の基本契約を締結した場合)ではどうでしょうか。

このような場合、最高裁平成20年1月18日判決によると、第1の基本契約に基づく取引に係る過払い金は、第2の基本契約に基づく取引に係る債務には特段の事情がない限り充当されないが、様々な事情(特段の事情)を考慮した結果、事実上1個の連続した貸付取引であると評価することができる場合には充当できる、といった旨の判断がされました。

以下が、上記判例で述べられた様々な事情です。

①第1の基本契約に基づく貸付け及び弁済が反復継続して行われた期間の長さ
②第1取引と第2取引の間の空白期間の長さ
③第1の基本契約における契約書の返還の有無
④カードが発行されている場合にはその失効手続の有無
⑤空白期間における貸金業者との接触状況(融資の勧誘の有無など)
⑥第2の基本契約締結に至る経緯
⑦各基本契約における契約条件の異同(利率など)
⑧その他

これらの事情を考慮して充当合意が存在するか、すなわち、一連計算できるかを判断することになりますが、その判断については裁判官によって分かれています。

一連計算か個別計算かで過払い金の額が大きく変わるため、基本契約が異なる場合に一連計算ができるか否かについては、貸金業者にとっても非常に重要なポイントであり、この点については徹底的に争ってくることが多いです。

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